2日間の定例記事で先延ばしになりましたが、月曜日の昼たまたまテレビを見ていた時のことです。本当にテレビを見るのは稀なのですが、稀に見たときに限って何かを考えさせられることがあります。
月曜日の昼、今治の造船場のことをやっていました。造船は昔から様々な技術が結集しているところで、船一台を設計してから建造するまで2年かかると報じていました。2年というのは大きなビルよりも遥かに日数がかかることになります。
建物と違い船の場合は、甲板が微妙なカーブになっています。これが1枚の鉄板でできる訳がなく、何枚も組み合わされてできるのですが、その何枚にも分かれた鉄板1枚1枚は、手作業にて曲げられるのです。設計図通りに正確に加工しないと絶対に合いません。
鉄板を曲げる方法は、曲げる場所を焙っては水をかけて冷やす方法です。そうするとこの作業を行った方が縮んで曲がる仕組みになっています。直接力で曲げるのではありませんので、思い通りに曲げられるようになる為には10年以上かかると作業員は言っていました。こうした職人の技術にはいつも頭の下がる思いがするのですが、今回のように見えない部分で、何よりも経験が頼りになるようなものに関しては尚更です。
現代社会、余りにも何もかもが目まぐるしく変わって、企業においても年功序列の制度が成り立たなくなってきていますが、このようなものを見せられると、年功序列にしないと成り立たない世界だな、とふと思いました。ひと世代前までは「年上」というだけのことで尊敬の念を抱いたものですが、今はそうしたことがなくなりつつあります。でも理屈云々ではてく目上の人を立てるということは、昔から日本で大切にされていたことではないでしょうか。そのことを改めて感じさせられた次第です。
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