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コンサート形式オペラの楽しみ:フィオレッティ史上最強のメンバーから

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    JUGEMテーマ:音楽


     今年のアンサンブル・フィオレッティ富山公演は、昨年とはメンバーが多少出入りがあります。メンバーは以下のとおりです。

     (ソプラノ)岡島由起子、森康子、杉谷雅子
     (メゾソプラノ)大野則子、篠崎幹子、三野田真喜子
     (アルト)杉林良美、平木郁子、伊藤逸子

    コンサート情報 >>
     昨年と違うところは、まず主役の桃太郎を演じる岡島由起子さんが、今年富山に来られます。それに伴い昨年ソプラノを歌った篠崎幹子さんは、本来のメゾソプラノに戻ります。アルトの真崎恵子さんが残念ながら退団されたのですが、代わって高音の美しい大野則子さんがメゾソプラノとして入団。これに伴い平木郁子さんはアルトに廻ります。その結果、ソプラノは本来の3人に戻り、対旋律を務めるメゾはソプラノも歌える3人が揃い、2つのメロディラインがきっちりと構成できます。そしてアルトはソロも歌える強力な3人ですので、アンサンブルの底をしっかりと下支えできます。アルトはフィオレッティ史上最強ですね。
     当初「ドンブラコ」の録音に携わった8人でお願いする予定でした。それはメインの「ドンブラコ」は2部合唱であることが理由で、前半も二部合唱の曲を中心にしましたが、今年に入って入団された大野さんにも、来て頂くことにしました。そしてプログラムに三部合唱の難曲「椰子の実」を入れました。今のフィオレッティのメンバーとしては、これが一番の聴き物かも知れません。
     「ドンブラコ」はコンサート形式で演奏します。演技は基本的になし、衣装もそのままなのですが、実はコンサート形式のオペラはこれがまた非常に楽しいのです。その理由は演技しない代わりに歌や台詞に団員が集中でき、並びも合唱の並びですのでアンサブルが乱れることなく、極上の音楽によって物語が進みます。場面場面の絵は聴き手の頭のなかに描かれるわけで、演奏者は聴き手の聴覚に対して最大限に訴えます。ですからコンサート形式というのは決して手抜きではなく、いかにコーラスだけで聴き手を物語の世界に引きずり込めるか、という合唱団の力量がもの凄く問われる演奏スタイルでもあります。
     主役を演じる岡島由起子さんは、爽やかこの上ない声質と人柄を持ち合わせた人で、その特徴が素直に表れた桃太郎ぶりが好感を持てます。大変なのは森康子さんと平木郁子さんの2人です。森さんは婆と雉子の2役で、婆では人生の深みの感じられる演技を、そして雉子は普段の美声とは違った滑稽とも思える声を出して、これがまた面白いです。更には合唱全体においてはアンサンブル全体をリード役でもあり、最初から最後まで息を抜く暇がありません。平木さんは爺と猿の役。爺は男性顔負けの素朴な田舎の爺さんを演じ、猿になると一転して、きび団子をおねだりするところなど、本当に可愛らしい限りです。この二人は二期会の会員、オペラの経験は豊富で合唱と2つの役を実に絶妙に使い分けています。
     犬の役は歌の上手い杉林良美さんに歌を、語りに味のある三野田真喜子さんを台詞に宇野功芳氏は起用しました。これはコンサート形式オペラだからこそできる方法で、宇野功芳氏が最大限に適材適所を求めた結果です。弁士を務める篠崎幹子さんは語りのスペシャリスト。他の人達も村人になりきり、実に味わい深い語り合いで展開されます。そうした絶妙な、フィオレッティならではのコンサート形式オペラを、是非楽しんで頂ければと思います。
     CDではオルガンやホルンも使っていますが、人員の関係でこれら全ては佐藤和子さんのピアノひとつで表現されます。どこまで表現できるかが逆に楽しみです。一方では、CDでは入れなかった打楽器を今回の実演では取り入れます。この舞台とCD録音での使い分け、宇野功芳氏の意図がきっと明らかにされるのではないでしょうか。

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      • 2020.10.23 Friday
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