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偉大なピアニスト:佐藤和子

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    JUGEMテーマ:ピアノ♪



     3月12日に初めて佐藤和子さんのピアノを聴いたとき、余りにもの伴奏の巧さに驚きました。本当にピアノの音が全然しない。とにかく歌の引き立て役に徹しています。そして富山でコンサートをやることが決まってから、主催者として4月14日に初めて挨拶を交わした際、余りにもその謙虚な姿勢に大変感銘を受けた次第です。富山に帰ってからスタッフ(つまりTKNのKN)に、「佐藤さんが一番素敵だった。」と言ったのですが、誰も信じてくれませんでした。



     でもコンサート当日、みんなの佐藤さんに対する評価が一変しました。その伴奏の余りにもの素晴しさに舌を巻いたようです。お客さんの感想をとってみても、歌はけなしたけどピアノは褒めた、という方が結構おられました。私は大いに安心いたしました。
     今だから言えるのですが、八尾コミュニティセンターにおいてあったピアノ、「自動演奏付き」という実にふざけたものだったのです。ですからどんなに上手に調律をしても、タッチは重く、鈍くなってしまいます。力強さを売り物にするピアニストならばともかく、繊細極まりない佐藤さんのピアノを知る私としては、これはかなりのハンディになるものと思っておりました。ホールの音響は宇野功芳氏が何とか解決するだろうと、それ程気にかけませんでしたが、ピアノそのものに関しては、宇野さんとてどうしようもないことですので、私が一番心配だった部分です。
     リハーサル前、私が申し訳なさそうに指を差して、「このピアノ自動演奏付きなのです。」と言うと、佐藤さんは「どんなピアノでも弾きますよ。」と笑顔で応えてくれました。プロならば誰でもそう言ってくれるでしょうが、実際にいい音が出せるかどうかは分かりませんでした。
     そうした私の不安をよそに、ちょっと弾いてピアノの状態を確かめると、ピアノや調律師に文句ひとつ言うことなく、たちまち自分の楽器にしてしまったのです。そして、万全の状態でリハーサルを迎えることができました。伴奏ピアニストは本当に大変な役割です。歌い手は本番まで仕上げればいいのですが、伴奏はリハーサル前に仕上げないと、歌い手にとって良いリハーサルができない訳ですから。
     ピアノにしろホールにしろ、今回の佐藤さんのご苦労は相当なものだったと思います。ところが、何事も無かったようにふるまっておられた佐藤さんは本当に立派です。ハイドシェックが樫尾小学校で、「本番で苦労の後を見せないために、普段に苦労するのだ。」と言ったことが、つくづく心に染みた次第です。
     実はその佐藤さん、身内に不幸があったばかりでした。そうしたことと背中合わせで行われたコンサートなのです。万一その不幸とコンサートが重なることも予想された状況だったのです。でも宇野さんは「佐藤ならばどんなことがあっても富山に必ず来ます。」と全面的に信頼しておられました。そうした厳しさを佐藤さんも持っているからこそ、あれだけの演奏もできるのだと思います。
     演奏会終了後、宇野さんはもう一泊残り、佐藤さんは名古屋へ帰られました。その別れ際に宇野さんが、これで当分会うことがない、と惜しんでおられた場面は、私も本当に切ないものを感じました。八尾でのコンサートは、あらゆる面でピアニスト佐藤和子の名を残すものとして、語り継がれることでしょう。

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      • 2020.10.23 Friday
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      • 10:36
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      コメント
       佐藤さんのピアノは確かに素晴らしかったですね。聴衆のいないリハーサルから拝聴していましたが、わざとらしさ無く、滑らかにピアノの音量をさっと下げ、女性三重奏を浮き上がらせていた場面で感心したのを思いだしました。
      • Bach
      • 2007/06/09 11:31 AM
      Bachさん

       本当ですよね。佐藤さんのピアノは作為的なものや嫌な音といったものが、全く感じられないところが素晴しいころです。
      • trefoglinefan
      • 2007/06/10 5:11 AM
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