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汽車ポッポ:どこまで加速できるかな

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    こちらのCDにも再録しています)

    JUGEMテーマ:合唱



     本居長世作曲の「汽車ポッポ」は例えばカラオケにも入っていたりして、愉しいけど優雅でのんびりとした旅を連想させる歌でもあります。ところが宇野氏の「汽車ポッポ」となると、これはかなり激しい。曲が進むにつれてアッチェレランドをかけてどんどん加速していきます。その「速さ」を極限まで求めた表現で、汽車が出発してから加速して、お客さんを懸命に運んでいる様子が伺えます。

    >>コンサート情報
    評価:
    宇野功芳,宮下恵美
    Digital MediaLab.,Inc.
    ---
    (2000-07-25)
    【ディスク1】
    1. 夜来香
    2. 母は青空
    3. マロニエの木陰
    4. 山のかなたに
    5. 川の流れのように
    6. 花嫁人形
    7. 絵日傘
    8. さわると秋がさびしがる
    9. そよかぜゆうびんさん
    10. きいろいきいろい歌
    11. くも
    12. 子守歌
    13. 汽車ポッポ
    14. 椰子の実
    15. 夏の思い出
    16. 早春賦
    17. 新鉄道唱歌(東京→名古屋)

     アンサンブル・フィオレッティ富山公演の第3ステージ最後を飾るのは「汽車ポッポ」です。誰でも知っている草川信作曲のものではありません。本居長世作詞。作曲のものです。「ポー」という汽笛とともに蒸気機関車が出発して、山の中を通り過ぎて行く様子を描いた歌です。実は私、これをカラオケで歌ったことがあるのですが、コトコトと優雅に走るようなテンポで歌うもので、通常はこのような歌い方なのだと想像しています。宇野功芳氏の場合は、「タイヤの動きを忠実に表現する」といった感じでしょうか。歌は同じ歌詞を2題続けるのですが、この間持続するアッチェレランドをかけて、曲の終わりには極限まで速くなっています。
     2000年の第1回目のコンサートで、確か第2ステージの最後がこの歌だったと思うのですが、歌が終了すると宇野さんは客席の方へ振り向き、「思ったほど加速できなかったので、もう一度やり直しします」といったような主旨のことを言われ、もう一度演奏しました。CDに入っているのはおそらく2回目に演奏したものだと思われます。それにしても「加速できなかった」とはどういうことなのでしょうか。指揮者のテンポ設定に狂いが生じたのか、それとも歌の方が指揮について行けなかったのか。ただ実際に本当に難しいことだと思います。最後まで想定した加速度にしないと不自然になりますし、安全運転すると加速しきらないうちに歌が終わってしまいますし。勿論早く加速し過ぎたら、最後それ以上加速できないですし、これは宇野氏の指揮ひとつにかかっていますね。時間にし
    て1分半、この間宇野氏と合唱団との正に真剣勝負が行われる正に緊張の瞬間です。こうした雰囲気は決してCDには入らず、実演で聴いてこその歌だと思うのです。
     今度の富山公演では夏の歌の次に来ますが、特に季節を意識していません。たまたま季節が春から夏にかけての歌になっただけで、宇野さんはプログラムを組む際に季節はあまり意識しない方です。でも敢えて言うと、この演奏は、春や秋の優雅な旅というよりも、夏にこれから登山にでも出かけるような体力漲る「汽車ポッポ」であることは間違いありません。たぶんこの歌は宇野さんにとっては久々ではないでしょうか。「どこまで加速できるか」に着目して、是非聴いてみましょう。

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      • 2017.09.21 Thursday
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