<< ベートーヴェンの名盤:60年代の小石忠男氏から | main | アンサンブル・フィオレッティ富山公演のプログラム変更 >>

小石忠男と宇野功芳

0

    JUGEMテーマ:音楽評論家



     小石忠男氏と宇野功芳氏は、レコード芸術誌の交響曲部門の月評を担当しておられる2人です。私は小石氏の年齢をよく知らないのですが、交響曲の担当者としては、小石氏が先輩になります。宇野氏はそれまで協奏曲部門の担当者だった訳ですが、氏が交響曲部門になった途端、2人の意見が合わずに2人とも推薦した「特選盤」が極端に少なくなってしまったものです。でも私にとってはこの両者、かなりあてにできる評論家だったのですが。

     CD時代になってから、CDを買うために一冊参考書を用意しました。1987年に音友社から発売された「クラシック音楽名曲名盤100」という本ですが、これは主な曲100曲について、1曲あたりに7人の評論家が、3枚ずつ推薦盤を記載するものでした。これを見ると評論家によって推薦盤がかなり異なっていることを、初めて知りました。それで「推薦している評論家は誰なのか」ということを初めて意識したのでした。
     ベートーヴェンの交響曲はかなりはっきりと分かれていました。カラヤンが中心の人と、フルトヴェングラーやワルターを重視する人で。前者は誰だか忘れましたが、後者が小石氏と宇野氏だった訳です。1曲1曲はむしろ小石氏の方がワルターを取り上げることが多かったです。ただし、交響曲全集となると、宇野氏一人だけがワルターを第1位にしていた。そうしてこの2人の評論家の名前を覚えました。そして、1960年代の雑誌でベートーヴェンの名盤を教えてくれた担当者が小石氏だったことを初めて知り、レコードの解説で特に心に残った文章を書いてあるものの著者を調べると、これが宇野氏だった。それで私は、この2人の評論家に特に注目するようになったのです。
     ベートーヴェン以外の作曲家に目を移すと、小石氏は当時も交響曲の月評の担当者でしたので、全ての交響曲は小石氏の選択が載っていました。宇野氏は全ての作曲家が対象になっていませんでした。例えばシューベルトは宇野氏の評はなかったのですが、「グレイト」において、小石氏ただひとりがワルターを推薦していたのには驚いたものです。だから余計に小石氏には親しみを感じたのです。でもこの2人はブルックナーではかなり別れました。小石氏はブロムシュテットやケンペやベームあたりだったような気がしますが、宇野氏は勿論クナッパーツブッシュ、シューリヒト、朝比奈。ただし朝比奈の第7番は2人の共通の推薦盤でした。
     ところで、宇野氏はこの時レコ芸では協奏曲部門の月評担当者でした。ですからこの本では協奏曲全てに評があったのです。そこで大好きなモーツアルトの協奏曲第23番で、ただひとりハイドシェックを推薦していました。それも第1位で。ハイドシェックというピアニストが居るということを知ったのは、この時が初めてだった。でも、このK.488は、富山ではLPも手に入らなかったですしCD化もなかなかされなかったですから、聴けたのはずっと後のことだったのです。
     現在、レコ芸の交響曲部門の担当者が小石氏と宇野氏。これは私にとっては最強コンビの筈なのですが、これがどうも当てにならない。世の中分からないものですね。

    他の音楽ブログ

    スポンサーサイト

    0
      • 2017.09.19 Tuesday
      • -
      • 07:40
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      コメント
      コメントする









      この記事のトラックバックURL
      トラックバック
      calendar
           12
      3456789
      10111213141516
      17181920212223
      24252627282930
      << September 2017 >>
      PR
      ランキング
      音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ くる天 人気ブログランキング(環境問題) ブログランキング(政治問題) (バレー) (日記)
      ブログ更新状況
      ・−−−−−−−−−−−・ | List Me! by BlogPeople | ・−−−−−−−−−−−・
      他のブログ
      selected entries
      categories
      archives
      recent comment
      • 全日本女子バレー:クラチャン・バレーから見たサーヴレシーヴ改善の模索
        trefoglinefan (09/14)
      • 全日本女子バレー:クラチャン・バレーから見たサーヴレシーヴ改善の模索
        ムラ (09/13)
      • 東北楽天ゴールデン・イーグルスの人的補償を考える
        trefoglinefan (05/27)
      • 東北楽天ゴールデン・イーグルスの人的補償を考える
        オニヒトデ (05/23)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):全世界的なサーヴの向上が全日本を直撃
        trefoglinefan (05/12)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):全世界的なサーヴの向上が全日本を直撃
        maki (05/12)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):WSとMBの負担格差を無くさないことには何も始まらない
        trefoglinefan (05/10)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):WSとMBの負担格差を無くさないことには何も始まらない
        Maki (05/09)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):WSとMBの負担格差を無くさないことには何も始まらない
        trefoglinefan (05/09)
      • 世界標準とやらで戦えるのか(全日本女子バレー):WSとMBの負担格差を無くさないことには何も始まらない
        Maki (05/09)
      recent trackback
      recommend
      北村季晴:おとぎ歌劇「ドンブラコ」(全曲)
      北村季晴:おとぎ歌劇「ドンブラコ」(全曲) (JUGEMレビュー »)
      北村季晴,宇野功芳,アンサンブル・フィオレッティ,佐藤和子,高柳未来
       リズムやメロディがいかにも単純で、一聴稚拙な作品かと思ったが、二度三度と聴いていくうちに、ニュアンスの豊かさを発見して次第に魅せられていきます。基本のリズムで全曲を統一しながら、間に登場する日本古謡が実に効果的に使われて、ジンワリと心に来るところがあるのです。そういう意味で、実に微笑ましい作品と言えるでしょう。
      recommend
      links
      profile
      search this site.
      others
      mobile
      qrcode
      powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM