全日本におけるWSとMBの負担格差の大きさが問題になっていることを指摘しましたが、この原因で最も大きなのは、サーヴレシーヴ成功率の低下であるのではないでしょうか。昨年のワールド・カップにおけるサーヴレシーヴ成功率は以下の通り。
1. 日本 61.5%
2.アメリカ 57.8%
3.ロシア 54.0%
4.中国 53.3%
5.セルビア 51.5%
6.韓国 50.1%
7.ドミニカ以下 50%未満
一応日本は1位にはなっています。でも私が一番言いたいのは、1位ならそれでいいのですか、ということです。日本が最も優れたパフォーマンスを発揮した2010年〜11年、この頃の全日本はサーヴレシーヴ成功率は世界一であるにしても、70%台の後半はあったと思います。そして日本だけでなく他にも70%台の国はあったのではないでしょうか。つまり絶対数が高かった訳です。
それで年々サーヴの向上により、サーヴレシーヴ成功率の低下は、全世界的なものになっているので、その分日本は弱くなっているのですが、同じだけ外国は弱くなったのか、ということになります。ここがそうでないところに、日本だけが弱くなったということで、弱みが顕著になっているのです。
日本は高さとパワーがないだけ、どうしてもコンビバレーが必要になってくるのですが、これができなることは致命的になりかねません。一方で外国はサーヴレシーヴが多少乱れようとも、高さとパワーで何とか対応できるのです。だから全世界的なサーヴレシーヴの低下の影響は、日本がより大きく影響を受けることになってしまったのです。
そもそもここ最近の女子バレーは、日本が弱くなっただけでなく、とにかく詰まらないです。サーヴレシーヴがまともにセッターに還らないですから、単純な打ち合いに終始する場面が多く見受けられるようになりました。
つまり私は世界標準バレーというのは、既に限界に来ていると思うのです。その理由はサーヴレシーヴが3人では既に成り立たなくなっている状況だからです。世界標準型のバックオーダは、レフト、センター、ライトを専門化てし、サーヴレシーヴはレフト2人とリベロの3人で行うという前提で考えたら、最も都合の良いフォーメーションであるしというものです。ところが何か手を加えようとすると、途端に融通の利かないものになってしまうからです。
サーヴレシーヴの向上を計るのに、そのレセプション・シフトの改訂は融通の利かない世界標準では改訂できません。サーヴレシーヴの名手を集めるしかないのですが、2014年の世界バレーで、木村沙織、新鍋理沙とリベロの3人という、全日本でこれ以上考えられないメンバで挑みながら、サーヴで崩されて思うような攻撃ができなかったことを、忘れてはいけません。この3人で駄目なものを、これ以上どう向上せよと言うのでしょうか。
私はこのような状況にありながら、いつまで世界標準とやらに拘るのかと言いたいですし、ここから脱却を計らない限り、今度の五輪の飛躍などあり得ないと思っています。
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