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東京ヤクルト・スワローズ2015のドラフト:高山の1位指名は表面的な補強ポイントに過ぎない

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     10月22日はプロ野球のドラフト会議で、来年に向けた新戦力を決める重要なイヴェントであることは言うまでもありません。そうしたなかで我が東京ヤクルト・スワローズは、明治大学の高山俊を指名か、などと囁かれているようです。今年のヤクルトは強力打線でセリーグを制し、そのなかでの弱点は雄平以外に固定できなかった外野手ですから、ここに目が行くのは当然と言えるでしょう。そして高山が加わればどんな強力打線を組めるか、夢が広がるばかりです。
     しかしながら私が思うには、高山を指名してしまうと、ヤクルトにとって決して良い結果をもたらさないと考えています。因みに高山は本当に素晴らしい選手です。大学での通算安打記録を塗り替えただけの選手なのですから。そのような選手をどうして指名してはいけないのかということですが、私は即戦力外野手以上に、ヤクルトにとって必要な選手が余りにも多過ぎると考えているからです。そもそも高山が本当に凄い選手だとすれば、もっと指名が殺到してもいい筈なのに、ヤクルトが単独指名もあり得るくらいの不人気ぶり。これに関してもヤクルトだけが安打数で過大評価されているような気がしてならないのです。もし本当にそこまで打撃に素晴らしい選手なのであれば、ヤクルト以上に欲しい球団は数多くある筈むですから。
     その前にヤクルトは今年、他チームより強かったから優勝できたのかどうかを考えなくてはいけません。確かに1軍の選手だけを見れば、強くないとは言えませんが、それでも4月から5月にかけて9連敗した時には、とても弱いチームになっていました。この時の二軍がどのような状況かを記事にして提示しましたが、チームはピンチどころか、チームとして成り立っていることすら不思議なくらいだったのです。このような状態は昨年までの最下位争いをしている時でさえ、あるかないかの異常な事態だった訳です。それがどうして優勝できたかと言うと、以降大きな怪我をした選手は皆無に近く、館山昌平や山中浩史などのように復帰した選手が増えたことがプラス要員になったからで、言ってみれば怪我人という要素で幸運に恵まれたということになります。逆に言えば復帰する選手よりも新たな怪我人の方が多く出たら、チームは崩壊していたことになります。そうした危うさもはらんだなかでの優勝であったということを、私は忘れてはいけないと思うのです。
     それでヤクルトの補強ポイントはどこなのかと言うと、ひとつは先発投手。今年優勝できたのはリリーフ陣がどこよりも強力だったからなのですが、一方で先発に目を向けると、ここはチーム防御率が3.68でリーグ5位、QS率も51.05%でやはりリーグ5位と、一気に成績が落ちてしまうのです。ですから先発投手の出来が余りにも悪かった為に、強力リリーフ陣が宝の持ち腐れになってしまった試合が数多くあります。今の外野の陣容では我慢ができなくて、先発投手の今の状態には我慢できるなどと本気で思っているのでしょうか。
     そして何より二軍に目を向けると、結論から言ってイースタン・リーグで断トツの最下位。捕手や緊急で仕方なく契約した育成投手が内外野を守り、指名打者さえ出せない状態のチームですから、最下位になるのが当たり前ですし、何より将来の外野手を嘱託される原泉がサードを守ったり、川上竜平がセカンドを守ったりして、育成そっちのけで試合の消化に必死だった訳で、これでは二軍から誰か新しい選手が、シーズン中に出現することなど、望める訳がありません。
     それと私が更に言いたいのは、今年台頭してきた上田剛史や比屋根渉といった外野手が、そんなにショボい選手なのかということです。確かに他の強力な野手に比べれば物足りないかも知れません。でも他球団の外野手に比べて、そんなに劣る選手であるとは到底思えないのです。私は十分に水準以上だと思うのですが。2人ともヤクルトのなかでは打てない方ではあります。でも強力打線のなかにありながら守備走塁で非常に特徴のある選手です。2014年度における走塁面でのメジャー指標であるスピード・スコアにおいて、上田はリーグ2位、比屋根はリーグ8位のチーム内1位と2位を占めています。上田は守備が下手くそだと言われますが、2014年度にセンターを守った選手のなかでは、12球団で最もRFが高い。つまり最もアウトを取った選手なのです。これはどういうことかと言うと、ヤクルトの投手がセンターにばかりフライを打たれたということを意味するのでしょうか。勿論そうではなく上田の守備範囲が広いということを意味していることは言うまでもありません。守備範囲が広いということは、他の選手でしたらファイン・プレイをしないと取れない打球が、上田にしてみればイージー・フライになるのです。他の選手ならば抜かれる当たりでも、上田なら何とか追い付いて無理な体勢で捕球しようとして、エラーしてしまうのです。印象けで物事を判断してはいけません。上田には12球団で最もアウトを取ったという重い事実があるのです。こういう選手をお蔵入りさせるつもりなのでしょうか。
     それから高山が入団することで、お蔵入りになる選手は上田や比屋根だけでなく、激しい内野手争いに敗れた荒木貴裕や田中浩康といった選手も例外ではありません。確かに控えや二軍に置いておくことができますが、これら4人が競ってこそ選手としてのモチヴェーションを保てるのであり、高山のように実力で敵わない選手が入団すると、ベンチを暖めるか二軍暮らしにずっと甘んじることになってしまうのです。これらの選手を戦力外にできる余裕が、今のヤクルトにあると思えるでしょうか。ただでさえ野手の絶対数が不足しているのに。更に言うと今のヤクルトのレギュラー外野手で最も引退に近いのは年齢的に雄平ということになるでしょう。もし雄平が引退間近であれば、高山はむしろ必要な選手ですが、そうではありません。例えばしばらく雄平と高山を使うことになり、数年後に雄平が引退した際に、ベンチと二軍を行き来していた上田が、果たして雄平の後継者として使いものになっているでしょうか。そうしたことも考えなくてはいけないのです。
     以上からヤクルトの外野手で必要なのは即戦力ではなくて雄平の後継者であるということになります。だとすれば高山よりも好素材ながら育成には時間のかかる関東一高のオコエ瑠偉の方が適切であると思うのですが、いかがでしょうか。外れ1位でオコエを考えている球団は多いなかで、「取ったもの勝ち」とばかりにオコエを先取りする。ヤクルトが外野手をもし1位指名するのであれば、本来ならばこう行きたいところですね。
     思い出されるのは2013年のドラフト。高卒野手である捕手の森友哉は各球団外れ1位の評価のなかで、西武が見事単独指名しました。その結果どうなったかは衆知の通りです。今年のヤクルトには是非これをやって欲しいと思います。相場的に1位評価の選手よりも外れ1位の選手の方が、実はチームにとって必要となれば尚更のことです。もしオコエが入団することになれば、ヤクルトの弱点である外野手争いがより熾烈になり、更に雄平が引退してからもまだそれが続くという、好循環が生まれるのではないでしょうか。
     という訳でヤクルトの高山の1位指名には、やはり何だか場当たり感の否めないところが、私には思われてならないのですがいががでしょうか。

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