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東京ヤクルト・スワローズ2015:ロマンはお決まりパターンではなく火消しに使うべき

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     ヤクルトは昨年とうって変わって投手陣が安定しています。その一番の理由はブルペンに居る外国人投手3人が安定しているからで、先発投手が6回まで抑えてくれれば、7回から3人で無失点で切り抜けられることが、かなり高い確率であると言っていいです。
     ところがです。問題なのは6回終わった時点でリードしている試合を、いったいどれだけ作れているのだろうか、ということです。こういうことも考えずに、リードしていたら一律7回から3人並べるなど、まるで小学生みたいな采配と言えるでしょう。今のところヤクルトの勝率はほぼ5割程度です。ですから勝つこともあれば負けることもあるといったところです。もし勝ちと負けが交互ならば問題はないのですが、連勝もあれば連敗もあります。連勝の時は毎日この3人を使って、連敗の時は全然使わない、などということでもせよと言うのでしょうか。
     メジャーでは先発投手の能力を示すのに、「クォリティ・スタート」というのがあります。それは6回を自責点3以内に抑えることのできる確率で、まさに6回の投球を全うしてこそ勝ちパターンにつなげることができるということです。ヤクルトの先発投手で今年のこの値を投球回数の多い順に見てみます。

    小川泰弘 66.7%
    石川雅規 57.1%
    成瀬善久 60.0%
    新垣渚 27.3%

     開幕からほぼずっとローテーションを守り抜いている投手は以上の4人ですが、エースの小川でさえ70%に満たないのです。QSを守れなかったものには、大量リードをもらって4点以上失点したケースも含まれるのですが、逆にそれ以上に多いのは6回を3点以内に抑えながら、援護をもらえず負けてしまったというもので、QSを守っても勝ちパターンにならないものが含まれていて、今年のヤクルトは先発投手がリードを保ったまま、6回を全うしたというのは極めて少ないと言えるのです。
     以上を考えても勝ちパターンにつながることなど、そんなに多くもないのに何の為に3人を後ろにただ並べているのでしょうか。勝ちパターンの投手リレーなど先発投手がしっかりしていてこそのものであって、それがなければ宝の持ち腐れに過ぎないのです。そもそも6回までリードを保っていれば、7回からお決まりのパターンという、サルでも分かるような野球をやって、いったいどこが面白いのかと思います。先発投手がロクに役割りを全うできないのに、勝ちパターンを3人用意して喜んでいるなど、そんなのヤクルト関係者の自己満足に過ぎません。
     とにかく今年のヤクルトはファンとして腹の立つ継投が多いです。私が覚えているだけでも以下のようになります。

    (6月27日:対巨人戦)

     新垣が好投して8回1失点に抑えたものの、打線の方がマイコラスに抑えられて全く歯が立たず。8回を終わった時点でマイコラスはまだ確か90球に満たなかった為、完全な完封ペースでした。なのに9回にビハイドの場面でオンドルセクを投入。チームは敗戦しただけでなく予想どおりマイコラスに完封を許し、ヤクルトだけがブルペンを消耗させた実に痛い敗戦となった。

    (6月28日:対巨人戦)

     初先発の館山が5回に突然崩れて、秋吉から必死の継投で何とか逃げきった試合。早い回からの継投を強いられた為に、7回裏の二死満塁のチャンスでロマンをそのまま打席に立たせなくてはいけない状況に陥った。そのロマンも8回にピンチを迎えてバーネットへの早いスィッチになっているドタバタぶりである。館山が初先発であることを考えると、早い継投は予想されたのでありながら、前日にオンドルセクを無駄遣いしたことが影響したと言えなくもない。

    (7月7日:対巨人戦)

     4−1で迎えた6回、先発の小川が突然崩れて4−5と逆転された試合。7回からビハインドの場面になってからようやくロマン、オンドルセクのお決まりの継投で完璧に巨人打線を抑えるも追い付くことができずに敗戦。勝ちパターンの投手はリードしているところで使えよ、と言いたくなる試合でした。リードを許してからのこのこと出てくるなど、敗戦処理投手の役割りでしょう。

    (7月20日:DeNA戦)

     8−3の7回、先発の新垣が内野ゴロとソロ本塁打で8−5に追い上げられた二死無走者の場面。ここで何とオンドルセクを投入。この回は無難にスリーアウトを取ったものの、回を跨いだ8回に点を取られたうえに一死も取れずにロマンへの継投しいうドタバタぶり。
     因みに次の日の試合でもこの消耗著しかった2人に、3点もリードしている場面で1回ずつ投げさせ、22日にブルペンの台所が苦しいなかで1点差を逃げきる為の必死の継投を強いられました。この3連戦は全て勝ったものの、継投が本当に正しかったのかどうか、しっかり検証すべく格好のカードだったと思います。
     もし最後の3回を外国人投手3人と決め込んだ見方をしているのであれば、上記試合に関しては何の疑問感じないでしょう。ところがその試合だけでなく特に以降の試合まで併せて検証してみると、実におかしなことをやっていると思いませんでしょうか。私が提示したのなどほんの一例であり、後ろ3人は外国人と決め付けている為に、勝ちパターンを創出できなかった試合は、溢れるほどあります。私にしてみれば憎き巨人が相手だからこそ机を叩きたいくらいに腹が立っただけで、他のカードも含めて酷い例を取り上げると、きっと枚挙にいとまがないでしょうね。
     それではどうすればいいのか、ということになるのですが、私はブルペンのNo.2とも言えるロマンを、火消しに使うことだと思うのです。火消しというのは回数や点差に関係なく、ピンチにあってどうしてもここで抑えたいという場面に遭遇した際に登場して、その回を無失点、または最小失点に抑える役割りです。こういう役割りってそんなに軽いものでしょうか。クローザと言われるブルペン・エースの投手は9回の頭から3人をきっちり抑えればいいのに対して、火消しは常にピンチの場面で登場するのです。それを考えるとクローザ以上に厳しい場面を抑えなくてはいけない訳で、どんなピンチでも大事なところをしっかり抑えてくれる、という投手がベンチに1人居れば、心強いものです。
     6月28日の巨人戦では、ロマンがベンチに控えていれば、相手の打順に応じて左の続く7回を中澤、下位に廻る8回を松岡などにできたでしょう。7月7日の試合では6回3点リードの一死満塁でロマンを投入する場面です。ここで2〜3点差を保てれば、巨人の打順が下位に向かう7回に秋吉を使えばいいのです。結果的に秋吉が打たれてロマンの投入が無駄になる可能性はありますが、それでもリードされてからロマンとオンドルセクの2人を使うより、余程マシです。
     7月20日のDeNA戦など、二死無走者から何の為にオンドルセクを使わなくてはいけないのでしょうか。3点もリードしているのですから、松岡で十分です。万一ピンチを迎えればロマンがマウンドに立つことになりますが、二死無走者からピンチを迎えるなど、いったいどれだけの確率で起きることなのでしょうか。5割打たれる打者だったとしても連打となると25%、4割打者ならたったの16%。これだけのことを心配してオンドルセクに回を跨がせて、次の回に慌てていては話になりません。松岡なら1つのアウトを取るのに事欠かない可能性の方が遥かに高いのであり、ロマンを温存できる可能性の方が遥かに高いのですし、次の試合も3点リードしていれば、秋吉と松岡か山本哲の2人でつないで万一ピンチを迎えた時の為にロマンがベンチに控えていれば事足りたでしょう。
     チームにしっかりした火消しが居れば、他の投手に大きなメリットをもたらすことは言うまでもありません。

    ・先発投手を限りなく引っ張れる
    ・4番手、5番手のブルペン投手を安心して使える

     先発投手の代え時は非常に難しいです。特に打たれる前兆があって、次の回まで投げされるかどうか迷う局面に遭遇したとします。もししっかりした火消し役が居れば、積極的に続投させることができます。先発投手が多い回を投げれば、ブルペンが楽になることは言うまでもありません。7回まで持てばヤクルトの場合勝ちパターンの投手はオンドルセクとバーネットの2人で片づくことになりますし、8回まで持てばあとはバーネット1人で良いことになります。
     それ以上に先発投手にとって、ピンチを演出しても後を抑えてくれる投手が居れば、安心して投げることができます。精神的に余裕が生まれ、好投につながるのは言うまでもありません。
     また4番手以降のブルペン投手に対しても、良い影響が生まれます。真中監督はこれまで「たぶん抑えるだろうけど万一打たれたらどうしよう」という投手を、勝ちパターンでも余程大量のリードでない限り使ってきませんでした。また僅差のビハインドの場面でも3人の外国人投手に頼っていました。でも1人しっかりとした火消しが控えれば、「たぶん抑えられるであろう」4番手以降の投手も積極的に使うことができるのです。何よりそうすることで、3人の外国人投手以外の選手も、優秀な中継ぎ投手として育てることができるのです。投手が使えないのは使わないからであって、使える状況をどう作り出すのかが、重要なのではないでしょうか。それが監督の責務と言えるでしょう。
     ということで私はロマンの火消し役というのを、提案してみたいと思います。ご意見があれば是非お聞かせ下さいませ。

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