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東京ヤクルト・スワローズ2015:メジャー式指標から見た新打順の提案

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     我らが東京ヤクルト・スワローズですが、7月22日時点で阪神と並んで首位とは、なかなか健闘していると言えるでしょう。5月の初めに「戦力が尽きたか」などと申し上げましたが、実際に二軍では選手のやりくりが大変で、指名打者を使わずに投手に打席を立たせています。それだけでなく育成契約の投手である中島彰吾が守備に就き、それだけでも足りないからと、投手を引退してチーム・スタッフをやっていた阿部健太まで育成契約して二軍の試合に野手として出場させている始末。これはフロントの大失態と言わずして何と言うでしょう。


     今年のシーズンが始まる前、ヤクルトは野手が全然足りないと拙ブログで話をしていました。当初選手登録していたのは内野手13名、外野手11名でしたので。一軍と二軍を合わせると、レギュラーで内野手8名、外野手6名必要な計算になる訳で、残り控えが内外野5人ずつで一軍と二軍を賄わなければいけないというのが、いかに大変なのかは最初から分かっていたことです。
     二軍は別に成績がどうこう言われる訳ではありません。ところが選手を育成するうえで貴重な実戦の場であることは言うまでないことです。そのようなところに、将来に一軍で野手として使う訳もない投手や引退選手に守らせていては、貴重な育成枠を無駄遣いしていることになるのです。このようなことをやっていては、将来に渡ってチームに大きな損失になっている訳で、それがいかに馬鹿馬鹿しいことなのか、チーム・スタッフやファンはどの程度認識しているのでしょうか。
     そうした二軍の惨状とは別に、一軍の選手はそこそこのパフォーマンスを見せて今の順位にあります。実際に一軍に居る野手そのものの能力は高く、昨年もチーム打率はセリーグ1位でした。問題はそうした能力の高い打者を、並べ方ひとつでチームとしての得点能力が大きく違う訳で、これは選手の適正を見極めたうえで、打順を組む必要があることは言うまでもないことです。昨年のヤクルトは概ね以下の並びでした。

    1.山田哲人
    2.上田剛史
    3.川端慎吾
    4.バレンティン
    5.畠山和洋
    6.雄平
    7.森岡良介
    8.中村悠平
    9.投手

     今年の開幕当初は1番山田、2番川端なども試しましたが、前半戦終了時には上記打線からバレンティンが抜けたところから、畠山以下が繰り上がったようなものになりました。特にポイントとなるのは1番山田、3番川端で、この2人はいかにも不動のようなイメージが定着してしまっています。ところが本当に適切なのかどうなのか、疑問を与えてくれた一冊があります。上記晋遊社のプロ野球ガイド・ブックで、この号のテーマは「メジャー式の指標でプロ野球選手の成績を徹底分析」というものです。
     選手の成績としては、投手なら勝敗、防御率、奪三振といったところ、打者なら打率、本塁打数、打点、盗塁数などが日本では評価されます。ですがこれは所属チームにより違ってきたりする訳で、選手の特性を正確に把握できるものではありません。アメリカの大リーグでは、より選手の特性を正確に見極める為に、詳細なものまで数値化しています。それを日本人選手に当てはめると、これまでと異なった見方があることに気付きました。なおこの本では2014年度の成績で選手のランキング付けが行われています。
     メジャーでは投手は、ランナを出さないのか、ランナを還さないのか、三振を取れる投手なのかといったことや、球数を多く投げないといったことまで数値化します。打者でしたらゴロを打つのが得意なのか、長打を打つのが得意なのか、三振をしないのか、といったことだけでなく、ボールを芯で捉える確率や内野ゴロが安打になる確率まで割り出されています。
     もし盗塁数や打率だけで打順を考えるなら、1番山田、3番川端は何の疑問もない常識的な考え方だと言えるでしょう。ところがメジャー式指標で考えると、これは実におかしなことをやっていることになるのです。
     そもそも日本の指標に照らし合わせても、実はおかしいのです。それは「得点圏打率」というもので、得点圏にランナがいる場合に、打率が上がるかどうかであって、これが上がるのが実は山田で、川端は大きく下がる選手です。ということはランナが居る場面は山田に打たせるべきで、川端はランナとして出る方がむしろ得意なのです。だとすればこれだけでも1番と3番は逆なのではないかと気付くべきなのです。
     「得点圏打率」など偶然だと思う向きはあるでしょう。それ以上に盗塁数から1番山田が当然だと相変わらず思われるかも知れません。ところが「得点圏打率」は決して偶然とは言えません。それが「メジャー式指標」で見えてくるのです。一例をあげてみます。

    (ゴロ率)
    1位:川端慎吾(順位はセリーグ内で)
    2位:石川雄洋
    パ7位:大引啓次(率的にここに入る)
    3位:大島洋平
    4位:橋本到
    5位:鳥谷敬
    6位:長野久義
    7位:マートン
    8位:雄平

    (内野ゴロ安打率)
    1位:大島洋平
    2位:川端慎吾
    3位:雄平

    (OPS:出塁率と長打率の和)
    1位:バレンティン
    2位:山田哲人

    (ウェルヒット率:芯で捉えた打球の確率)
    1位:山田哲人
    2位:畠山和洋
    3位:阿部慎之介
    4位:バレンティン
    5位:雄平

     といったように、川端はランナが居ないところで、内野安打ででも泥臭く塁に出ることができる選手であることが言えます。一方で山田はランナが居るところで投手がランナに気をとられているところに、ガツンと長打でランナを還す能力があると言えます。このようにそれぞれ違った個性のある選手をただ盗塁数だけでもって、1番と3番に決めるのは実に愚かなことであることは、一目瞭然ではないでしょうか。
     それ以上に川端を1番に置きたい理由は、実は走塁能力がとても高いというところにあります。

    (本塁生還率:外野への単打で2塁から本塁へ生還する確率)
    1位:川端慎吾
    2位:梶谷隆幸
    3位:大和神
    4位:山田哲人

     川端は2塁ランナとして居る際に、外野の前へ転がった単打で、かなりの確率でホーム・インできる選手なのです。こういう選手を1番に置かない手はないのではないでしょうか。
     山田はどの打順でも高いパフォーマンスを示すことのできる選手である為に、1番に置いていても違和感のない選手です。ところが川端はランナの居ないところから出塁して、本塁まで還ってくることを考えれば、山田以上に適正のある選手であると言えるのではないでしょうか。
     という訳で今のヤクルトで理想の打順を私なりに考えると、以下の通りになります。

    1.川端慎吾
    2.大引啓次
    3.山田哲人
    4.畠山和洋

     一応申し上げますが、盗塁数の多い山田は、実は1番よりも3番の方が良いと言えなくもありません。というのは例えば二死無走者から出塁して盗塁を決めた場合、打者が2番と4番では大きな違いがあるからです。つまり盗塁が求められるのは、1番よりも3番なのではないでしょうか。そう考えると、盗塁ができる選手が1番なんて、そもそもその根拠さえ疑わしいくらいです。
     ところでここ最近は川端が2番を打つようになりましたが、川端は2番打者としても大いに適正のある選手です。勿論ただ送るだけの2番としてではありません。ゴロ率の高さに着目すると、エンドランを仕掛けるのに川端ほど優れた選手が居ないからです。その場合1番には走塁能力に優れた選手を置きたいです。

    (スピード・スコア:盗塁を含めた走塁能力を指標化したもの)
    1位:梶谷隆幸
    2位:上田剛史
    3位:荒波翔
    4位:鈴木尚広
    5位:赤松真人
    6位:天谷宗一郎
    7位:上本博紀
    8位:比屋根渉

     川端の前を打つ選手としては上田がいいでしょうが、今上田は故障中ですので、比屋根を置いたのは非常に合理的であることは確かです。ただ1番比屋根、2番川端にすると、山田は4番が理想的になります。川端は2塁から還る能力が著しく高いからで、川端と山田の間に確実に送れる選手を置きたいからです。でも畠山が戻っているのに山田を4番に置くというのも実に気が引けることになります。そこで打順を以下にすればいかがでしょうか。

    1.川端慎吾
    2.大引啓次
    3.山田哲人
    4.畠山和洋
    5.雄平
    6.デニング
    7.中村悠平
    8.投手
    9.上田剛史(比屋根渉)

     以上が私が考えたヤクルトの理想的な打線です。9番にスピードのある選手を置けば、川端は1番でありながら2番打者としての能力も使うことができるという訳です。なおバントなど考えずに打ちまくる野球をやりたい場合、2番が大引では物足りない向きがあります。その場合誰が適切なのかということになりますが、ゴロ率、内野安打率が高い雄平が良いと思います。ただし雄平はゴロ率だけでなくウェルヒット率も高いので、併殺打の危険と隣り合わせになることは考えなくてはいけません。ですからリスクを負ってでも大量点を狙いたい場合は打っていいのですが、場合によってはどうしても1点を取りたくて送りたいケースは考えなくてはいけません。雄平はバントを考えないケースでばかり使われてきましたが、これまでやっていないだけであって、能力的に決して苦手とは言えないのではないでしょうか。普段は打ってもここぞの場面でバントをきっちり決めることのできる選手になれば、川端は山田をつなぐ選手として最高の選手になり得ます。雄平を2番に置いた打線は以下の通りになります。

    1.川端慎吾
    2.雄平
    3.山田哲人
    4.畠山和洋
    5.デニング
    6.中村悠平
    7.大引啓次
    8.投手
    9.上田剛史

     以上でいかがでしょうか。中村と大引の並びはどちらが良いのか分かりませんが、破壊力の感じられる打線かと思います。

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      • 2017.09.19 Tuesday
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