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箱根駅伝:5区の区間変更は現場の声こそを大切に

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    JUGEMテーマ:箱根駅伝


     新春恒例の箱根駅伝、私はこれが大好きで今年も観戦しました。でも今年の正月は大変な大雪に見舞われてとてもテレビにかじり付く余裕がなく、カーラジオのヴォリュームを上げて雪かきしながらの観戦になりました。NHKの実況は無駄が無く実に的確で、選手達の細やかな表情も音声で伝わってくるので、テレビで観るよりも楽しめるくらいです。

     そして今年は青山学院大学が優勝候補の駒澤大学に10分以上の大差をつけて初優勝しました。これには見事と言う他ありません。MVPと言うべき金栗四三杯は新山の神と称された神野大地でしたが、5区の山登りを驚異的速さで駆け上がったことで優勝を決めたと言っても過言ではありません。でも私は優勝の流れを作ったのが1区から4区までの頑張りにあることを評価したいです。各大学エース級の選手が投入されるなかで、絶対的なエースの居ない青学大は遅れることなく駒沢大にしっかりついて行って、1分以内の差で5区に襷をつなぎました。ここで大逆転のシナリオができあがったようなものです。
     一方の駒澤大ですが5区で大失速した馬場翔大ばかり言われますが、誤算は4区が終わった時点であったと思います。本当は3区までに大差をつけて他の大学が追いつけないだけのレース展開を想定していたでしょうし、またそれだけの力のある選手を実際に揃えました。ところが思ったほど差が広がらなかったことが苦戦の原因になったと思います。そして5区の馬場は低体温症で何度も倒れながらのゴールでした。聞くところによると5区でただ一人ランニング・シャツでの走行だったようです。私は最初に日本海側は大雪に見舞われたと書きました。確かに東京から太平洋側は穏やかな晴天だったでしょうが、日本海側は大荒れだった訳です。ということは平地と山間部では気温差がいつもになく著しいことが予想される訳で、それに対する配慮が駒澤大関係者になかったのかと思います。スタイルが原因かどうかは定かではありませんが、私はこのようなところにもチーム全体に油断や慢心があったと言われても仕方がないのではないでしょうか。
     さて私が今回取り上げたいのは、箱根駅伝のここ最近の傾向として5区の出来でチーム成績が決まってしまう点です。2006年に将来のマラソン選手を育てるべく陸連の判断で区間を延長したと言われます。そのことでこの5区が最長区間となって、ここで上位の選手と下位の選手の間で10分以上の大差がつくようになりました。神野のような選手が居れば1人で他校と4分程度の差をつける計算になります。
     そして今年で区間延長されてから10年の節目を迎えたのですが、これを契機に見直しの話が持ち上がっているようです。それは5区を卒業したことによる有力なマラソンランナーが思うように育っておらず、逆のこの区間の偏重性ばかりが浮き彫りになっていることからです。なお当時は区間延長の真相は、通常使っていた往路の小田原中継所が工事により使えなくなり、その場所を変えざるを得なくなったことで区間が延びてしまったもので、「マラソンランナーの育成」は後付け的な理由だという説もあります。真偽はともかく専用の競技場ではなく公共の場を借りてレースをする以上、このようなことはあって当然と受け止めていいと思います。あくまでコースの事情に合わせて走るのが駅伝であり、駅伝側の都合で道路工事するなど本末転倒であることは言うまでもありません。
     話は横道にそれましたが、来年度の改定案のひとつが、小田原中継所の位置を元に戻して4区と5区の区間配分を2005年以前のものにするというものです。確かに5区偏重を正すという観点からいけば、こう改訂はあって当然だと思います。もし5区が最初から最後まで登り一辺倒なのであれば、単純に考えられるのですが、実際はそう単純なものでないのです。5区の選手が襷を受けてからしばらくは平地を走ります。小田原中継所から芦ノ湖へのゴールまで23.2kmあるのですが、この入りの5kmは平地です。それは何を意味するかですが、選手にとっては山を登る前にウォーミング・アップの為に5km平地を走るというのが実に都合よくできていることが考えられないかということです。もし5区の距離を短縮した場合にどこが縮まるかというと、入りの平地の部分が削られることになります。2005年までは20.9kmでしたから、2km余り短くなる計算になります。この距離がウォーミング・アップするうえで十分な距離かどうかが私には気になるところです。
     実際に2006年に距離が延びた際、初代山の神である順天堂大学の今井正人がまるで平地を走るような凄まじい走りを見せて世間を驚かせました。そして当面この記録は破られないだろう、と言われていたにも関わらず、今井が卒業して2年後に東洋大学の柏原竜二があっさり記録を更新。そして今年の神野の快走と立て続けに記録が塗り替えられているのを見ると、私は平地の距離が延びたことで5区を走るランナーが、より力を発揮できるようになったのではないかと思った次第です。
     ただこのようなことは我々素人では分からないことですのですから、現場の声を是非大切にして欲しいと思うのです。もし最初のウォーミング・アップの区間が3kmで十分、と言われるのでしたら距離の短縮はあってもいいと思うのですが、5kmあった方がいいというのであれば、5区の偏重を見直す為に距離を短縮するなどというのは、山登りの面白さを無くす暴挙でしかない。私はこのことを強く言いたいです。それくらいに2006年を境に山登りの選手のパフォーマンスが劇的に変わったという事実があるのですから。
     でも5区の偏重はやはり直したい。その為にどうすればいいのかを次回にお話したいと思います。

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      • 2019.08.22 Thursday
      • -
      • 16:51
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      • by スポンサードリンク

      コメント
      最初の5kmは平地と書かれてますが、既に登りは始まってます 傾斜が、その先に比べて緩いだけで

      実際は、伸びた最初の2.5kmだけで高低差は30mあります
      距離が延びてから単純に走る時間も10分弱長くなり、低体温症や脱水症状等のアクシデントは増加、途中棄権も延長後の10年で3件発生してます

      マラソンもこのような特殊なコースは無く、距離延長がマラソンに直結するとは考えにくいです
      実際、マラソンに向くのは2区、旧4区、6区じゃないかという指導者もいます

      6区なら、平地の実績はなくとも下りが得意な選手なら勝負できますが、今の5区は登りが得意なだけじゃ太刀打ち出来ませんし、4区も18.5kmスピード区間と称してますが、細かいアップダウンが連続してスピード出しにくいコースな上に、18.5kmもスピード区間というには長いですから、単純にチームの10番手を起用するだけになってしまいました

      5区延長も、4区短縮も当初の目的と現状が全く違うので、元に戻した方が良いと思います
      • いーさん
      • 2015/01/11 7:36 PM
       いーさん、コメントありがとうございます。実は距離が延びてから途中棄権が多いのは私も気になっているところです。しかしながら一方では、今井が走ってから次々と区間新記録が出ていることも、無視できないのではないでしょうか。かつての5区では勿論のこと、現行の他区でも考えられないことだと思います。ここには何らかの理由があるのではないでしょうか。
       因みに最初の入りはご指摘通り「緩い上り坂」ですよね。ただ標高差が30mあることは知りませんでした。お教え頂いてありがとうございます。「平地」という言葉を使ったのはいささか乱暴でした。そのうえで敢えて申し上げたいのですが、いくら登りだとしても「緩やかな」といった部分が少ないままいきなり急勾配というはいかがなものでしょうか。
       それと4区は本当に単なる10番目の選手でしょうか。往路重視の現状ではちょっと考えられないのですが。「スピード・ランナーの育成」というのが、いかにもくだらない能書きであることに関しては同意できますが。
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