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全日本女子の新戦術:忍者の動きに要注意

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    JUGEMテーマ:女子バレー


     全日本の新戦術でキーとなる選手に山口舞などと言いましたが、これは山口の個人技が新戦術の進化にどうしても必要だからです。山口に個人技があると思ってみられる方は、随分と少ないようです。もしボールだけ見ている人ですと、サーヴは緩い、アタックは弱い、ブロックは背が低いなど悪いところしか見えないと思います。例えばノーマークで打つこともよくあるのですが、これは能力のない山口を相手がマークしないからだと思っておられるようで、ノーマークでないと決められない大したことのない選手、と見られているようで、これは見当違いも甚だしいと言わざるを得ません。
     それでは山口の個人技とはいったい何か。まずは「ノーマーク」状態にできる能力です。とにかくスピードがあり各国が「忍者」と言うあだ名をつけましたが、思いもよらないところからアタックが繰り出されるのです。もしコミットでマークしても、横の動き速過ぎてついていけないのです。ですから山口を止める為には相手は組織的なブロックをするしかありません。そうすれば必然的に他の選手のマークは甘くなります。
     こうした忍者的な動きは各国翻弄させてきましたが、今年はこれに「空中一人時間差」という技術を身に付けました。長い滞空時間で相手のブロックとの間合いを測り、ドンピシャで打たずに駆け引きをして無理な体勢になってもタイミングを外して打つ。ですからフォームだけを見ると実に下手くそに見えるのですが、何故かアタックが決まる。こういうのが世界戦でも次第に見られるようになっていくと思います。
     ここまでは本当の個人技になりますが、新戦術にとっても山口には重要な才能があります。それはトスを拾う能力です。同じチームの宮下遥はまだ若く、トスが安定しないのですが、多少乱れても戦術の崩れた体勢で何とかしました。それだけでなくサーヴレシーヴの悪い岡山にあって、セッターに上手くレセプションが還らなかった時に、そのセッターがトスを上げ易い位置に臨機応変に走り込んで、相手からすると意外性のあるクィックをよく決めました。実はこれこそ全日本の新戦術に必要な能力になると思われます。
     全日本がマルチセッターをやるのではないか、ということを述べましたが、そうした場合に本職でないセッターがトスを上げる場面も多々出てきます。その際に短いトスを上げ易いところに走り込んでくれるアタッカが居れば、大いに助かると言えるでしょう。という訳で新戦術における山口の動きに、是非注目してみたいと思います。
     山口は今年31歳、リオディジャネイロ五輪まで活躍できるかどうか分からない年なのですが、月刊バレー7月号を見てもお分かりの通り、山口は多くのMBの選手の「学びたい選手」として挙げられています。本当に山口が元気なうちに、如何にその技術を習得するかが、今後の全日本女子バレーにとって必要なことではないでしょうか。各選手がどこまで本気なのか分かりませんが、是非取り組んで欲しいことだと思います。

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