みなさんはロンドン五輪を観戦しておられますか。私は相変わらず運転中のラジオ観戦が多いです。でもどうしても戦略的に競技を見てしまいます。例えば卓球の団体、どういう順番で選手を出すか、なんてことにどうしても興味が行ってしまいます。
そのような私、やっぱり一番興味があるのはバレーボールですね。今回は女子しか出場していませんが、結構特徴あるキャラクターが揃っていて、この駒をどう当てはめるか、というのを考えるのがやっぱり楽しい。決勝トーナメントに進んだのですが、初戦の相手がよりによって中国。東洋の魔女に代表されるように、バレーボール、特に女子は日本のお家芸でした。バレーボールというのは日本が技術開発して先進し、それに他国が追随する形で進化してきたのですが、今では完全に技を力で封じられるようになりました。日本が最後にメダルを取ったのは1984年のロスアンジェルス五輪。この時は準決勝で中国に負けて、3位決定戦でペルーに勝ちました。そして迎えた1988年のロンドン五輪。ここでは予選でソヴィエトに勝ったのに、準決勝でペルーに負けて、3位決定戦で中国に負けてメダルを逃しました。それ以来五輪ではメダルがなく、バレーが日本のお家芸というのは、すっかり過去のものになりました。
そうしたなかで、今回は久々いい戦いができていると思います。合宿の成果があってか最終予選に比べて全ての選手状態が上がってきています。私のお気に入り
山口舞も、課題の守備を克服して安定感が戻りました。予選リーグではそこそこ無難にやっていましたが、これからがいよいよ本番。これまで封印されていた他の選手の真似できない、相手の隙をつく鋭い動きが見られるだろうと、とても楽しみにしています。山口がどんな動きをするかが、やはり一番注目ですね。
でももうひとつ嬉しいのが、山口と同じライトのポジションになる新鍋理沙が、びっくりするくらいに攻撃面で成長が見られること。もともと守備が良くて選ばれたのだが、攻撃でも使えるようになったのは正に鬼に金棒。その分山口の出番は減るが、これはこれで面白い。つまり山口は日本の攻撃が手詰まりになった時に、切り札的に使われることで却って持ち味が発揮されるのではないかと思われる。果たして中国戦、どちらを先発させるだろうか。
だけど好調な2人に比べて、もう一人のライト狩野舞子が不調なこと。今の全日本の一番の不安要素である。幸い山口と新鍋が好調だから、ライトでは使わないと割り切って、本当に控えで徹することができば、いい働きができるのではないかと思われます。「控え」というのはいかにも聞こえが悪いですが、不調と言っても良いところは使えます。まずはサーヴ。ここぞという時のピンチ・サーヴァというのだって、立派な役割りです。メンバーは12人。そのうち6人しかコートに立てないのですが、だからこそ12枚ひとつひとつな貴重な駒となって、上手く当てはめていく必要があるのです。狩野は186cmもあり全日本の中では長身なので、つい前衛で使うことに目がいくが、その長身からのサーヴだけでなく守備も計算できる。つまり今五輪に関しては前衛では全く駄目なのだが、実は後衛ではいい働きができています。だからここに活路を見出して是非頑張ってもらいたいと思います。
実は私、先日の発言で
石田瑞穂が選ばれない訳がない、などと申し上げましたが、この予想は大外れ。あるいは栗原恵が選ばれなかったことに、物申す人もおられると思います。でもこの2人は攻撃の人。だからこそ「狩野の守備が日本を救った」と言われることを願いたいですし、そこに活路を見出して欲しいです。
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